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2007年04月26日(木) 00時31分

西武調査委が最終報告=球団体質を批判し、新たな提言−裏金問題時事通信

 プロ野球の西武が裏金問題で立ち上げた調査委員会(委員長・池井優慶大名誉教授)は25日、東京都内のホテルで記者会見し、西武球団に対して提出した最終報告書の内容を発表した。同委員会は、4月4日の中間報告以降、新たな不正の事実は見つからなかったとしている。球団の依田龍也常務は同日、コミッショナー事務局に同報告書を提出した。西武では5月の連休明けに球団関係者の処分を行うことにしている。
 最終報告書は、不正なスカウト活動にかかわった当時のスカウトをはじめ星野好男前球団社長、黒岩彰前球団代表ら球団関係者の実名を挙げ、不適切な金銭の授受が契約金や報酬金、あるいは交際接待費として球団で会計処理されていた点について、「トップから末端まで社会のルールを尊重する意識が希薄だったといわざるを得ない。最低限の企業の社会的責任すらないがしろにされていた」と球団の体質を厳しく批判した。
 また、コンプライアンス(法令順守)体制の充実強化のため、組織やルールの整備と継続チェック、生まれ変わる決意や姿勢を明確にした新たな憲章の策定など球団に対する提言も最終報告書に盛り込まれた。
 中間報告で明らかになった、球団が金銭を渡したとされる高校、大学、社会人野球の監督ら延べ170人のアマチュア関係者や、契約金の前渡しなどの名目で裏金を渡していたアマチュア5選手などの実名については、「個人を取り上げあるいは糾弾することは目的でなく、同様の問題の再発防止が主たる目的」などとして調査委からは公表されなかった。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070426-00000002-jij-spo