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2007年04月24日(火) 03時02分

<海外先物取引>初めて規制 被害急増で罰則も 経産省方針毎日新聞

 経済産業省は、被害が多発している「海外商品先物オプション取引」を初めて法律で規制する方針を固めた。特定商取引法(特商法、旧訪問販売法)の施行令を改正するもので、契約後8日以内なら自由に解約できるクーリングオフの適用対象となるほか、違反業者への業務停止や刑事訴追が可能になる。さらに、従来規制の枠外に置かれてきた一部の海外商品先物取引も同時に規制。これで国内に比べ法整備が遅れていた海外先物取引全般に法の網がかかる。
 同省は近く施行令改正案を公表。国民から意見を公募したうえで今夏をめどに規制に踏み切る。
 新たに同法の適用対象となるのは、事前に決めた価格で商品を売ったり買ったりする権利(オプション)を売買する海外商品先物オプション取引。さらに「ニューヨークの原油」「ロンドンのコーヒー豆」などと、取引場所や品目を特定した39種類の商品売買だけを規制している海外商品先物取引についても、全商品を規制対象とするほか、預けた保証金を担保に何十倍もの金を売買する「ロコ・ロンドン金取引」にも規制の枠を拡大する。
 こうした商取引を行った顧客は、クーリングオフ制度に基づき、8日以内(契約日を含む)なら一方的な解約が可能で、勧誘員から虚偽を告げられたり、事実を隠ぺいされた場合なら期間後も解約できる。違反業者には刑事罰があり、2年以下の懲役か300万円以下の罰金。立ち入り検査や業務改善指示、業務停止命令などの行政措置の対象にもなる。ただ、顧客が店舗を訪れて契約した場合は適用されず、業者が家庭を訪れて勧誘する訪問販売や、電話による勧誘などが対象だ。
 今回新たに規制される海外先物取引については、近年被害が急増。国民生活センターによると、97年度に35件だった相談件数が06年度は385件になり、1件当たりの平均支払額も583万円に達するという。【堀文彦】
■特定商取引法施行令の改正案の骨子■
▽海外商品先物オプション取引をクーリングオフ(8日間)や業務停止、刑事罰の対象とする
▽現行の規制対象(39種類)以外の海外商品先物取引やロコ・ロンドン金取引も規制対象とする

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070424-00000006-mai-pol