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2007年04月24日(火) 17時15分

原環機構 第1段階調査中止の方針決める 高知県東洋町毎日新聞

 原子力発電環境整備機構(原環機構)は23日、高知県東洋町で予定していた、高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設に向けた第1段階調査(文献調査)を中止する方針を決めた。東洋町長選で当選した沢山保太郎新町長が同日、調査への応募を撤回する意思を同機構の山路亨理事長に電話で伝え、ファクスと郵便で文書も送ったため。経済産業省も中止を認めることを明らかにした。
 沢山新町長は「町民の大多数が調査反対の意思を示した」などと撤回理由を説明し、山路理事長は「文書の内容を確認し(中止に向けて)手続きを進めたい」と答えた。
 高レベル放射性廃棄物は原発から出る「核のごみ」で、政府はこの「ごみ」を地下深くに埋める最終処分場建設を「原子力政策に不可欠」と位置づけている。02年暮れから全国の自治体に対し、事前調査地を公募してきたが、東洋町以外に応募はない。処分場は事前調査と建設に約30年かかるため、政府が予定している2037年ごろからの処分開始は極めて難しい状況になっている。
 経産省の北畑隆生事務次官は同日会見し、「(調査に応募した)田嶋裕起前町長は原子力政策に理解のある方で、落選は残念だが、応募撤回があれば尊重したい」と調査中止を認めた。
 一方で「(今後の原子力政策に)少なからず影響はある。処分場の必要性と安全性の理解を得る努力を続けたい」と強調し、応募した自治体への補助金交付制度(2年間で最大20億円)を維持する考えを示した。【高木昭午】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070424-00000024-maip-soci