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2007年04月24日(火) 17時19分

「満期ほったらかすと預金消滅」否定 最高裁、初判断朝日新聞

 満期日で自動的に継続される定期預金は、預金者がほったらかしにしていると最初の満期日から10年で払い戻す権利が消滅してしまうのか——。高裁段階で判断が分かれていたこの問題をめぐる上告審判決で、最高裁第三小法廷(藤田宙靖(ときやす)裁判長)は24日、「解約の意思表示がない限り、払い戻し請求権の消滅時効の計算は進まない」と、預金者に有利な初判断を示した。

 千葉県内の男性が、旧市原信用組合の営業を引き継いだ東京スター銀行(東京)に対し、同信組に87年に預けた1年満期で自動継続の定期預金200万円の払い戻しを求めていた。

 裁判で同行は「最初の満期が来た88年から10年がたち、民法の規定により払い戻し請求権は時効で消滅した」と主張、これを認めた一審は男性側の敗訴とした。

 しかし、第三小法廷は「解約を申し出るかどうかは、預金者の自由にゆだねられている」と指摘。初回満期日が来ると消滅時効の計算が進むとの解釈は「自動継続定期預金契約の趣旨に反する」と判断し、スター銀行の上告を棄却した。

 大阪高裁では、同様のケースで、時効の計算がスタートするのは「最初の満期日」とした判断が示されていた。

http://www.asahi.com/national/update/0424/TKY200704240287.html