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2007年04月24日(火) 12時25分

預金請求権、時効は解約10年後…銀行側の主張を退ける読売新聞

 満期が来ると自動的に更新する特約がついた定期預金を巡り、預けたままにした預金の払い戻しを受けられる権利がいつ消滅するかが争われた訴訟の上告審判決が24日、最高裁第3小法廷であった。

 藤田宙靖裁判長は、「払い戻し請求権は、解約を申し出た後の満期から10年後に消滅する」との初判断を示した。その上で、請求権は最初の満期から10年で消滅すると主張し、払い戻しを拒否した銀行側の上告を棄却。男性側に預金を払い戻すよう命じた2審判決が確定した。

 民法は、払い戻し請求権は、10年間権利を行使しなければ時効により消滅すると定めている。自動継続特約付きの定期預金の払い戻しを巡っては、この時効の起算点をいつにするかで下級審の判断が分かれていた。

 訴えていたのは千葉県市原市の男性。1、2審判決によると、この男性は1987年2月、市原信用組合(当時)に、1年の満期で自動継続する定期預金に200万円を預け入れた。男性は約15年後に解約を申し出たが、同信組が合併した千葉県商工信用組合(その後、東京スター銀行に営業譲渡)は、時効の起算点は最初の満期の88年2月で、男性の請求権はそれから10年で消滅したなどとして、払い戻しを拒否した。

 1審・千葉地裁は銀行側の主張を認めたが、2審・東京高裁は、1審判決を取り消し、銀行側逆転敗訴の判決を言い渡した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070424i104.htm?from=main1