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2007年04月20日(金) 08時07分

ハイエース風ワゴン車「HAICE」、北朝鮮で生産へ朝日新聞

 中国遼寧省の自動車メーカー、華晨汽車集団がトヨタ自動車から過去に技術供与を受けていたワゴン車「金杯海獅(チンペイハイシー)」の北朝鮮での組み立て生産が5月にも始まる見通しになった。すでにトヨタとの直接の関係はないが、計画が順調に進めば、今後5年間で1万2000台のトヨタ「ハイエース」風の車が北朝鮮で生産されるという。

瀋陽市内を走る華晨汽車集団の「金杯海獅」

 華晨汽車集団によると、今年2月、北朝鮮・南浦で乗用車の組み立て生産を行っている韓国の平和自動車と海獅の部品供給と組み立て生産の契約を交わしたという。技術者の派遣なども行う計画だ。

 同集団は朝日新聞の取材に「北朝鮮の自動車市場はまだ限定的だが、経済のさらなる開放に従い、自動車業界のホットな場所になる可能性は高い」とみて戦略的な判断をしたと文書で回答。今後5年間で海獅8万台をロシアに輸出する計画も打ち出している。

 海獅はトヨタが89年から90年代半ばまで技術供与を行っていた。すでに契約は終了し、同集団が独自の改良も加えているが、英語名は「HIACE」に似た「HAISE」や「HAICE」とされる。トヨタ関係者は「トヨタ製の部品が北朝鮮に輸出されるといったことはないと確認している」と当惑顔で話している。

http://www.asahi.com/business/update/0419/TKY200704190321.html