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2007年04月20日(金) 15時24分

排雪200万不適正請求青森市の会社出動しないダンプ「稼働」読売新聞

 青森市は19日、排雪工事の委託契約を巡り、請負業者の建設会社「田中屋」(青森市横内、田中経靖社長)が、200万円を不適正に請求したと発表した。実際には出動していないダンプカーが稼働したとして請求していたもので、同市は除排雪工事に関して指名停止処分を検討している。市は、他業者の実施分も今後調査する。

 市によると、同社は2004、05年度、同市横内地区などの幹線道路で実施した排雪工事で、委託料約6250万円を受け取ったが、このうち200万円が不適正請求だった。

 市は委託業者に対し、稼働させたダンプのナンバーと稼働時間、走行距離を作業日報に記載させ、裏面に出動車両の運行記録計(タコグラフ)の記録紙を張って提出させている。同社は、1台のダンプに2機のタコグラフを設置。2機目のタコグラフの記録紙と、実際には出動していない車両のナンバーを使って、委託料を受け取っていた。市が3月下旬に実施した立ち入り調査などで判明した。

 同社の田中社長は取材に対し、「タコグラフは針が壊れやすく、1機が故障したため、壊れたタコグラフが搭載されたダンプの代わりに、稼働状況が同程度の1台に2機のタコグラフを取り付け、委託料を請求した」などと説明。「委託料を二重取りした訳ではないが、認識不足だった」と陳謝した。

 19日に同市役所で行われた記者会見で、市都市整備部幹部らは「記録紙の照合が甘くなっていた」と釈明した。市は同社が〈1〉事実を認め、調査に協力した〈2〉不適正な請求分を返還する意思を示した——ことから、詐欺罪などでの刑事告訴は見送る方針。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aomori/news002.htm