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2007年04月20日(金) 11時01分

水増し請求:建設業者、青森市に排雪作業委託料200万円−−04〜05年度 /青森毎日新聞

 ◇刑事告訴は見送り
 青森市は19日、同市横内神田の建設業「田中屋」(田中経靖(つねやす)社長)に支払った04〜05年度の排雪作業委託料(単価契約)約6300万円のうち、約200万円が水増し請求されたものだったことが、同社の自己申告で分かったと発表した。市は今後、同社を指名停止処分にするとともに、水増し分の返還を求める方針。同社の行為は詐欺罪に当たるとみられるが、市は「積極的に不正を認めている」などの理由から、刑事告訴は見送る予定という。
 市と同社は毎冬、実際に働いた時間分の金額を支払う単価契約と、定額制のシーズン契約の2契約を結んでいる。業者が単価契約分を請求するには、作業に使った車両のナンバーや稼働時間などを書いた「作業日報」と、走行時間や距離などが記録された「タコグラフ」を市に提出する必要がある。
 市によると、同社はダンプカー1台にタコメーターを2機設置し、2台分のタコグラフを作成。作業日報にも虚偽の車両ナンバーを記載する手口で、架空の1台分を水増し請求していたという。
 市は今年3月上旬、同社関係者からの告発で水増し請求があったことを知り、同社に確認したところ、約200万円分の不正を認めたという。市は単価契約に基づき、04年度に約3995万円、05年度に約2259万円を同社に支払っていた。
 市は同社の不正を見抜けなかった点について「チェック体制が甘かった。単価契約(の工区、路線)を部分的にシーズン契約に変えるなどしたい」(加福和夫・都市整備部理事)と話した。【後藤豪】

4月20日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070420-00000039-mailo-l02