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2007年04月19日(木) 15時42分

緑資源機構、天下り4法人で林道測量の7割落札読売新聞

 農林水産省所管の独立行政法人「緑資源機構」(本部・川崎市、前田直登理事長)発注の林道測量コンサルタント業務をめぐる官製談合疑惑で、2002〜06年度に機構が実施した入札計約500件のうち7割以上を、林野庁や機構のOBが在籍している公益法人と民間会社の計4法人が落札していたことがわかった。

 公正取引委員会に対し、機構職員は「技術力のある業者に発注する必要があった」などと説明しているが、天下りしたOBの中には、機構で発注を担当したことのある機構元役員もいた。公取委は、天下りが受注調整に影響を与えた疑いがあるとみて調べる。

 入札調書によると、02〜06年度に発注された林道測量コンサルタント業務は計496件(発注総額約36億6600万円)で計24業者が落札した。

 この5年間で、落札件数が最も多かったのは「林業土木コンサルタンツ」(東京都文京区)で101件(受注総額約8億2500万円)、次いで「フォレステック」(三鷹市)が100件(同約8億1500万円)、さらに「森公(しんこう)弘済会」(千代田区)が83件(同約6億7700万円)、「片平エンジニアリング」(文京区)が67件(同約4億100万円)と続いた。

 5位の民間会社は20件(同約1億500万円)で大きく引き離されており、上位4法人が全体に占める割合は、件数にして70・76%、金額で74・17%にも達していた。

 林業土木コンサルタンツと森公弘済会は、いずれも林野庁所管の公益法人。

 読売新聞の調べによると、発注部門を担当する機構役員が森公弘済会の役員に天下りしたり、林業土木コンサルタンツの役員が、機構の役員に就いたりする密接な関係にあった。

 これら役員の中には、同庁OBも複数含まれ、機構と両法人を渡り歩き、天下り後に1億数千万円の報酬を得た元国有林野部長もいた。

 一方、受注上位の民間2法人は、同庁や機構のOBの受け入れについて「山の仕事は地元との折衝力や信頼関係が必要なため、人脈がある林野庁OBを雇用している」(フォレステック)、「政府開発援助(ODA)関連業務の専門家として十数年前に機構OBを受け入れるようになり、現在は元広島地方建設部長を技術顧問として迎え入れている」(片平エンジニアリング)などと説明している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070419i309.htm?from=main3