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2007年04月19日(木) 18時52分

<逆子男児死亡>国立病院側に1100万円賠償命令毎日新聞

 国立病院機構「西埼玉中央病院」(埼玉県所沢市)で出産直後に亡くなった男児の両親が「逆子なので帝王切開を希望したのに自然出産させられたのが原因」などと病院側に約8400万円の賠償を求めた訴訟の差し戻し控訴審で、東京高裁は19日、1100万円の支払いを命じた。大谷禎男(よしお)裁判長は判決で「担当医は十分説明せず、両親が出産方法を判断する機会を奪った」と指摘、1審さいたま地裁判決(01年)の330万円から賠償額を増やした。
 両親側は「十分な説明があれば自然出産はせず死亡も避けられた」と主張したが、判決は「説明を受けたとしても自然出産を拒絶したとは限らない」として、説明不足と死亡との因果関係は否定。判断の機会を奪われたことに対する慰謝料のみ認めた。
 判決によると、男児の出産に際して病院の担当医は94年5月、帝王切開を希望する両親に「すぐに帝王切開に移行できる」などと説明し自然出産させた。男児は仮死状態で生まれ4時間後に死亡した。【高倉友彰】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070419-00000078-mai-soci