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2007年04月19日(木) 23時25分

部下の怠慢、課長の過失 県職員に賠償命じる逆転判決朝日新聞

 静岡県教委の財務課副主任が01年3月で退職した教職員全体の退職金の源泉所得税を期限までに納めず、不納付加算税を支払うなどの損害を県に与えたとして、県オンブズマンネットワークの代表幹事らが石川嘉延県知事と当時の財務課長を相手取り約2900万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁であった。浜野惺(しずか)裁判長は「原因は副主任の職務怠慢にあり、副主任の重大な過失は課長の過失と同一視できる」として、課長に全額の支払いを命じる逆転判決を言い渡した。

 判決によると、01年5月、副主任のメールの確認ミスなどにより、教職員の退職金の源泉所得税約5億7420万円の納付が5日遅れ、県は延滞税約35万円と不納付加算税約2871万円を支払った。公務員の職務上のミスによる損害を誰が賠償するかが争点だったが、浜野裁判長は地方自治法に基づき、賠償責任は副主任ではなく、県の規則で専決権を与えられた課長にあると判断した。石川知事への請求は「指揮監督上の義務に違反していない」として棄却した。

 一審の静岡地裁は、課長がすべての専決事務を指揮監督するのは容易でないとして「重大な過失と認められない」と請求を棄却していた。

http://www.asahi.com/national/update/0419/TKY200704190384.html