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2007年04月18日(水) 17時01分

奈良市職員休暇休職問題:「早期の給与返還図る」 民事提訴で副市長が会見 /奈良毎日新聞

 奈良市環境清美部の元職員、中川昌史被告(43)=職務強要罪で公判中=の長期欠勤問題で、市と市職員互助会が中川被告に対して、給与など約2300万円の返還を求めて民事提訴したことを受けて、福井重忠副市長らが17日、記者会見した。福井副市長は硬い表情で「司直の判断を求めることは残念。早期の給与返還を実現したい」と話した。
 訴状によると、返還を求めたのは、市や互助会が01年1月〜昨年10月の5年10カ月間に支払った給与や療養補給金など計約2300万円。中川被告は腰痛や胃かいようなど10種類の病名で71通の診断書を提出して病気休暇・休職を取得する一方で、市役所に度々出入りしていた。市側は「休暇・休職の期間中は安静加療に専念する義務を負う。中川被告は制度を悪用し、仮病により給与などを受給したことは明らか。詐欺による不法行為責任か不当利得の返還義務を負う」と主張した。
 記者会見で、「詐欺だと言う前に、市は不正に気付かなかったのか」との質問に、福井副市長は「裁判で明らかにしたい」と明言を避けた。中川被告への思いについては「残念」と述べるにとどめた。
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 同市の郵便入札制度を延期させるため市幹部を脅したとして、職務強要罪で公判中の中川被告について、奈良地裁(石川恭司裁判長)は17日、保釈を認める決定を出した。保釈保証金は500万円で、中川被告は即日納付した。16日の第3回公判で検察側の立証が終了したため、中川被告の弁護人が保釈請求していた。【高瀬浩平】

4月18日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070418-00000294-mailo-l29