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2007年04月18日(水) 07時04分

温水便座の発火・発煙、10年で23件 火事やけがも朝日新聞

 衛生陶器製造最大手TOTO製の温水洗浄便座で事故が発生していた問題で、他社製も含む温水洗浄便座や暖房便座で96年以降、少なくとも23件の発煙・発火事故が起き、うち7件では火災につながり計5人が軽傷を負っていたことが、17日分かった。経済産業省が所管する独立行政法人・製品評価技術基盤機構がまとめていた。ぼや1件を除く火災6件など17件については、原因がわからないことなどを理由に製品名などを公表していない。経済産業省は「事故情報を精査し、メーカーへの指導など対応を検討する」としている。

 23件のうち、「製品に原因がある」として製品名などを公表しているのは6件で、5件はTOTO、1件はINAXが販売したもの。16日にTOTOが発表した製品とは別の機種だ。いずれもけがなどの被害はなく、両社は「具体的な原因が特定できず修理などはできない」として、回収などの措置はとっていない。

 火災になったのは7件。05年8月には木造2階建て住宅が全焼し、家族2人がやけど、03年12月には木造平屋建て住宅を全焼、隣の木造2階建て住宅を半焼し、1人がやけど、99年12月には住宅が焼け、夫婦がやけどをした。このほかけが人はなかったが、ぼやが4件起きている。しかし原因については「調査中」「被害者の不注意」「不明」などとして、ぼやの1件を除き、メーカーや製品名、発生場所など詳細は公表していない。

 経産省によると、これまでメーカーには事故の報告義務がなく、情報をとりまとめる機構が事故原因などを精査して経産省に報告していた。消費生活用製品安全法(消安法)の改正で、5月14日からは死亡や火事など重大事故については、メーカーなどが発生を知ってから10日以内に経産省に報告することを義務づけられている。

http://www.asahi.com/national/update/0418/NGY200704170017.html