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2007年04月17日(火) 19時33分

中国当局「百度日本」への中国からのアクセスを遮断かアダルト画像検索で中国ユーザーの利用が殺到impress Watch

 4月17日、人民網や新華網などをはじめとした多数の中国メディアが、「『サイバー万里の長城(Great Firewall)』により、中国から百度日本へのアクセスが禁止された」と報道している。実際に、現在中国から百度日本に接続を試みても接続ができない状態だ。中国最大の検索ポータル百度の日本版サービス「百度日本」は3月22日に開始されたばかりだ。

 百度日本では、画像検索でアダルトキーワードを入力すると、モザイクなしのそのものずばりの画像が出てしまう。中国では、そうしたアダルト画像などのWeb公開は政府によって禁止されており、中国内のサイトでは見ることができない。このため、中国内の利用者間で、百度日本で画像検索すればアダルト画像が見られることが広まり、百度日本にアクセスが殺到したという事情がある。

 実際、4月17日現在、Alexaでbaidu.jpのアクセスを調べてみると、アクセス元は日本(32.4%)よりも中国(61.6%)のほうが圧倒的に多いことがわかる。また、百度日本内のアクセス先も画像検索へのアクセスが76%を占め、メインであるはずのWeb検索(24%)をはるかに上回る利用実態が浮き彫りとなっている。

 百度日本のサービス開始以降、中国のニュースサイトや個人ブログで「百度日本でこうすればエロ画像が閲覧できてしまう」 とした上で、それを「けしからん」という趣旨で紹介する記事が数多く書かれている。その結果、実に多くの中国語サイトで、百度日本が「エロ画像を検索するのに最適」と中国で広く認知されてしまい、アクセスが殺到したかたちだ。

 中国では、4月12日に「全国依法打撃網絡淫穢色情専項行動電視電話会議(意訳すると中国全土エロサイト撲滅行動テレビ電話会議)」が北京で行なわれており、この会議と今回の措置に関連があると中国メディアは見ている。

 このニュースに、多くのメディアは最後に「このような状況に陥り、李彦宏(百度CEO)の国際化の道は平坦でない」とコメントしている。

 なお、百度日本で「アダルト」というキーワードで画像検索を行なうってみると、全てというほど多くはないが、検索結果表示ページ1ページにつき1〜数枚程度はモザイクなしと思われる画像が表示される。非常に多いというほどではないため、百度日本でもアダルト画像を排除するなんらかの処理はされていると考えられる。しかし、始まったばかりのベータサービスということもあり、また中国はネットインフラ自体がアダルトコンテンツを拒んでいることから中国ではフィルタリングをする必要がない。こうした事情から、百度ではGoogleなどに比べてそうした情報のフィルタリングが甘いのではないかと思われる。

関連情報

■URL

  百度日本

  http://www.baidu.jp/

  Alexa(英文)

  http://www.alexa.com/

■関連記事

・ 中国最大の検索ポータル「百度」日本語版を検証する(2007/03/27)

( 山谷剛史 )

2007/04/17 15:52

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070417-00000021-imp-sci