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2007年04月13日(金) 21時25分

拘置所での証拠ビデオ再生拒否「違憲」 国の敗訴確定朝日新聞

 弁護士が刑事事件の被告に接見した際、証拠品のビデオテープを事前検査なしに見せることを拘置所職員が拒否し、こうした行為が違憲かどうかが争われた訴訟で、最高裁第二小法廷(中川了滋裁判長)は13日、国の上告を受理しない決定をした。拘置所が内容を事前検査しようとしたのは、被告が弁護人と秘密に接見できる権利(秘密交通権)を侵害し、憲法に違反すると認めて慰謝料など110万円の支払いを命じた一、二審判決が確定した。

 裁判は、大阪弁護士会所属の後藤貞人弁護士が01年、大阪拘置所(大阪市都島区)で接見中の被告に、刑事裁判の証拠品のビデオテープを見せようとしたところ、拘置所職員に拒否されたことをめぐって起こされた。弁護士は弁護活動を妨害されたとして国に1100万円の損害賠償を求めていた。

 一審・大阪地裁、二審・大阪高裁とも、被告が立会人なしで弁護人と接見できることを定めた刑事訴訟法39条は憲法に由来し、接見内容の秘密を保障していると指摘。テープの事前検査は憲法違反で許されない、と判断した。

http://www.asahi.com/national/update/0413/TKY200704130355.html