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2007年04月13日(金) 12時44分

水谷元会長、脱税で懲役2年の実刑 東京地裁判決朝日新聞

 土地取引で損失が出たように装うなどの手口で計約11億4000万円を脱税したとして、法人税法違反の罪に問われた中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)の元会長、水谷功被告(62)に対し、東京地裁の朝山芳史裁判長は13日、懲役2年(求刑懲役3年)の実刑判決を言い渡した。

 また、同社の元経理担当常務、中村重幸被告(56)に懲役1年6カ月執行猶予3年(同懲役1年6カ月)、法人としての水谷建設に罰金2億4000万円(同罰金2億6000万円)の有罪判決をそれぞれ言い渡した。同社は控訴しない方針。

 朝山裁判長は、水谷元会長について「実質的なワンマン経営者として経営権を掌握していた」と述べ、「中村元常務に指示して所得秘匿工作を行わせたり、取引先業者に架空売買の協力を求めたりするなど犯行を企てて主導した」と指摘した。

 個人的利得を得ていないことや事実関係を認めていることなど、水谷元会長にとって有利な点も認めたが、「過去の不正な経理処理を清算するのに不正な手段を用いるのは心得違いも甚だしい」などと述べ、「刑事責任は重大」として実刑が相当とした。

 水谷建設による脱税事件をきっかけに、東京地検特捜部が06年、福島県発注の公共工事をめぐる談合疑惑の捜査に着手。同県前知事の汚職事件に発展した。

http://www.asahi.com/national/update/0413/TKY200704130144.html