記事登録
2007年04月12日(木) 07時18分

子どもの自殺防止に、とベッカムらがサインしたTシャツ 朝日新聞

 「生きていれば、喜びがあるよ」——。そんなメッセージをつけたTシャツに、スペインのサッカーチーム「レアル・マドリード」の選手25人がサインをした。「子どもたちの自殺防止に役立てたい」という思いから、埼玉県所沢市の引っ越し業・須佐淳也さん(35)がチームに頼み、快諾してもらった。須佐さんは「多くの子どもたちに見てもらいたい」と寄贈先を探している。

レアル・マドリード25選手のサイン入りシャツの寄贈先を探す、(左から)須佐淳也さん、真鳥さん、明玲奈さん一家

 須佐さんは高校卒業後に訪れたスペインで、レアル・マドリードのファンになり、20回近くマドリードを訪問。95年のリーグ戦でチームが優勝した際、妻の尚子さん(35)のおなかの中にいた長女を真鳥(まどり)さん(11)と名付けると「宣言」したことが地元メディアで報じられ、チームの関係者と懇意になった。

 これまでも渡航のたびに選手にサインを求め、知的発達障害のある人たちのサッカーチーム「SC所沢」などに渡すボランティア活動をしていた。

 転換点は昨年後半、いじめ自殺が社会問題化したことだ。「子どもたちに何か発信しなければ」と思っていたところ、朝日新聞の連載「いじめられている君へ/いじめている君へ」を読んだ。

 「有名人の訴えは効果がある。子どもたちにいい影響を与えられるのでは」。そう考え、3月に次女明玲奈(あれな)さん(9)と再訪してチームに頼んだところ、レギュラー選手のほとんどがサインしてくれたという。

 特大のTシャツには、米国のチームへの移籍が決まっているイングランド代表を務めたベッカムや、スペイン代表のラウル、ブラジル代表のロビーニョらのサインも。チームのスペイン語版のホームページには、Tシャツを着た明玲奈さんの写真が載っている。

 須佐さんは「自分が持っていても仕方がない。子どもたちの目につく場所に飾ってくれる団体に譲りたい」と話している。

http://www.asahi.com/national/update/0411/TKY200704110351.html