記事登録
2007年04月12日(木) 14時35分

外為証拠金取引、4億円を主婦無申告…脱税容疑で告発読売新聞

 個人投資家向けの金融商品「外国為替証拠金取引」(FX)で2005年までの3年間に得た約4億円を税務申告せず、所得税計約1億3000万円を免れたとして、東京都内の主婦が東京国税局から所得税法違反(脱税)の疑いで東京地検に告発されていたことが分かった。

 外為証拠金取引は少ない資金で多額の利益が期待でき、投資家の人気を集めている反面、税務申告しないケースが目立っているが、脱税が明るみに出たのは初めて。

 告発されたのは、東京都世田谷区の主婦池辺雪子氏(59)。

 関係者によると、主婦は自分と夫の名義で口座を開設、複数の先物取引会社を通じて商品先物取引や外為証拠金取引を行い、主に外為証拠金取引による所得を隠していた。数年前、親から財産を相続し、数千万円の運用資金があったという。親は千葉県内の開業医だった。

 同国税局では、商品先物取引による所得はほとんど申告していたのに、外為証拠金取引の所得は全く申告していなかったことなどから、脱税の意図があったと認定。夫名義の口座で取引した点も、不正行為にあたると判断した。

 外為証拠金取引は、外貨を売買し、為替相場の変動や金利差による利益を狙う商品。元手となる証拠金の数倍から数百倍の外貨を売買できるため、大きな損失を被る危険がある一方、多額の利益を上げることも可能だ。円安傾向もあって人気を集め、売買高は年間300兆円を超えるという。

 主婦は取材を拒否したが、夫は「本人は反省しており、修正申告も済ませた」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070412i206.htm