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2007年04月12日(木) 15時59分

国立病院への眼鏡店員派遣、13病院がカルテ不適切管理読売新聞

 公立病院が民間眼鏡店チェーンの店員の派遣を受け入れ、視力検査をさせるなどしていた問題で、独立行政法人・国立病院機構本部(東京都目黒区)が全国146の国立病院を調査したところ、13病院で店員がカルテを見られるような不適切な管理を行い、このうち5病院では店員が眼圧検査も行っていたことがわかった。

 眼圧検査をしていた店員は、医師、看護師、視力検査を行う視能訓練士のいずれの国家資格も持っていなかった。このため、同本部は「眼圧検査は医師法違反の疑いがあり、カルテの不適切な管理も個人情報保護法に触れる」と判断し、全病院に店員の派遣を受け入れないよう指示した。

 同本部の調査は、東京医療センター(同区)で店員派遣受け入れが発覚した3月上旬から電話で行った。

 その結果、東京、茨城、埼玉、滋賀、佐賀など計11都県の16病院で、眼鏡店チェーンの「オグラ」(東京都千代田区)、同「朝倉メガネ」(新宿区)などの店員の派遣を受け入れていた。このうち13病院は「店員がカルテを参照する機会があった」などとカルテの不適切な管理を認めた。患者の個人情報が外部に漏れたかは確認できなかった。

 同本部は、店員の受け入れをやめるよう指示した理由について、「透明性が求められる国立病院で特定の業者が出入りするのは不適切」としている。

 一方、店員の派遣を受けていた16病院は、いずれも「始まった経緯は分からない。患者が眼鏡店まで足を運ばないで済むようにしていた」などと同本部に説明しているという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070412i408.htm