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2007年04月11日(水) 10時23分

「医療ミスの原因に慢性的な疲労」 多くの勤務医訴える 朝日新聞

 病院に勤める医師の96%が法定勤務時間の週40時間を超えて働いているなど、過酷な労働実態が社団法人日本病院会(東京)の「勤務医に関する意識調査」でわかった。週48時間以上は7割で、週56時間以上も4割を超えた。多くの医師が、医療ミスの原因として「慢性的な疲労」を挙げた。

 調査は全国2535病院を対象に行い、536病院の5635人から回答を得た。夜間当直をすると答えた医師は72%で、月3〜4回が41%、5回以上も17%いた。9割近くは、夜間当直の翌日も「普通勤務せざるを得ない」と答えた。

 医療ミスと勤務との関係では、7割以上が「過剰な業務のために慢性的に疲労している」、6割以上が「患者が多く1人あたりの診療時間、密度が不足がち」と答えた。医療紛争による診療への影響は、7割が「防御的、萎縮(いしゅく)医療になりがちになる」とした。

 また、へき地病院への勤務は「したくない」が40%だった一方、当直回数や休日の確保、勤務期間の条件が合うなどすれば「勤務したい」と33%が回答した。

 こうした現状を受け厚生労働省は、地域の医師確保を後押しするため、医療政策など専門知識を持つ「地域医療アドバイザー」を都道府県に派遣する方針を提案。地域の中核病院に医師を集め医師1人あたりの負担を軽くする集約化・重点化を進めるため、助言や指導をするという。

http://www.asahi.com/life/update/0411/TKY200704110045.html