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2007年04月10日(火) 03時17分

組員の集団観戦お断り、ボクシング界が暴力団追放運動読売新聞

 日本ボクシングコミッション(JBC)が警視庁とタッグを組み、興行や試合会場からの暴力団追放キャンペーンに乗り出す。

 第1弾として9日、JBC、日本プロボクシング協会・原田政彦会長、警視庁組織犯罪対策部の連名で、全国約300のジムと興行主に協力を求める文書を送付。東日本地区の約160のジム経営者らに対し、「暴力団対策講習会」(19日・後楽園ホール展示会場)への出席を要請した。子どもや女性が気軽に足を運べるボクシング会場の環境作りを目指し、組員らの集団観戦などを排除する考えだ。

 ボクシングの試合会場では、入り口付近にダークスーツ姿の若手組員らが列を作り、幹部を出迎える光景が日常化。数年前、ある世界戦では、後援者が選手に金一封を贈る「激励賞」の提供者の一人として暴力団組長の名前が館内放送され、物議を醸した。「こうしたイメージが客足を遠ざけてきた」と関係者は指摘する。

 講習会では、警視庁の現職警察官が、暴力団にチケットを正規ルート以外で渡したり売ったりしないための毅然(きぜん)とした対応策を手ほどきする。プロ野球界からの暴力団追放に取り組む東京ドームの関係者も講演する予定だ。

 試合会場には今後、私服警察官を投入し、警備強化と合わせた暴力団員ら不審者の締め出しに当たる。当面は、後楽園ホールや、都内で開催される世界タイトルマッチを対象とする方向だ。興行主側もチケットの裏面に「暴力団関係者には売らない」との注意書きを徹底し、官民一体の暴力団追放運動を継続していく。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/news/20070410i501.htm