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2007年04月10日(火) 14時34分

コムスンの都内事業所、8割に報酬過大請求など問題点読売新聞

 「コムスン」が訪問介護事業所3か所で、東京都の事業所指定を不正に取得するなどしていた問題で、都の監査対象となった同社の都内186事業所中、約8割が、ヘルパーの不足や介護報酬の過大請求などの問題点を都から指摘されていたことがわかった。

 都はこのうち、管理者の不在など介護保険法違反が明らかな16か所に対し業務改善勧告し、今月30日までに是正・報告するよう指導。介護保険の対象外のサービスについて介護報酬を請求したり、訪問介護計画を作成していなかったりした147か所に対しては、文書で介護報酬の一部返還などを求めた。

 都によると、事業所指定を受ける際に、ほかの事業所のヘルパーを常勤職員とするなど虚偽の申請書を提出していたのは、銀座(中央区)、奥戸(葛飾区)、千歳船橋(世田谷区)の3事業所。都は介護報酬計4320万円を返還するよう指導。さらに、指定取り消し処分を内定していたが、監査結果を通知した先月23日に同社から廃止届が出されたため、処分を見送っている。

 また、勧告の対象となった上石神井(練馬区)など16事業所では、同法で専従が義務付けられている管理者が複数の事業所を掛け持ちしたり、ヘルパーの派遣やサービス内容の点検を担当するサービス提供責任者が不在だったりしていた。

 文書指導を受けた荒川(荒川区)などの147か所を含めると、大半の事業所で何らかの問題を指摘された形。都内の大部分の事業所で不適切な運営実態が明るみに出たことになり、都は同社に対し管理体制の見直しを求めている。

 一方、「ニチイ学館」(千代田区)で業務改善勧告を受けたのは、三鷹(三鷹市)、武蔵境(武蔵野市)、吉祥寺(同)の3事業所。いずれも管理者の専従義務違反や計画書の未作成があったという。

 またケアマネジャーが月1回の利用者宅の訪問を怠っていたなどとして、居宅介護支援事業所など計28か所に対しても文書指導した。同社は不正請求を認め、すでに4100万円を区などに返還している。「ジャパンケアサービス」(豊島区)に対してはサービス提供責任者が不足していたとして府中市の2事業所に勧告。18事業所に文書指導した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070410i104.htm?from=main1