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2007年04月09日(月) 14時39分

メーカー販売員の実績管理、ミドリ電化に是正指導読売新聞

 家電量販店で働く家電メーカー販売員「ヘルパー」の就労実態を巡り、京都労働局が「ミドリ電化」(本社・兵庫県尼崎市)を立ち入り調査し、職業安定法に抵触する恐れがあるとして是正指導していたことが、わかった。

 家電量販店業界では、人件費を一切負担せず、契約関係もないヘルパーを自社の社員のように働かせる不明朗な就労実態が問題化しており、これまでに業界最大手「ヤマダ電機」の大阪市内の大型店が大阪労働局から是正指導を受けた。

 ミドリ電化の説明や関係者の証言によると、同社本社は、メーカー側が管理すべきヘルパーの販売実績を自社でデータ管理し、メーカー側にもその一部を提供していた。

 特定のヘルパーについて、別の店舗への配置換えをメーカーに求めていたことも判明。労働局は「ミドリ電化はヘルパーの配置について要求できる立場にない」との見解を示した。このヘルパーは結果的にヘルパーの仕事を辞めることになった。

 また、京都府久御山町(くみやまちょう)にある久御山店では、社員とともにヘルパーの出勤日を記載した勤務ダイヤを作成。社員と同形式の社名入り名刺をヘルパーに支給し、顧客が社員と区別しにくい形にしていた。顧客の苦情に関してヘルパーに注意を与えていたケースもあり、労働局は同店に「ヘルパーには直接、注意や指導を行わず、(ヘルパーを管理すべき)メーカーに連絡するように」と指導した。

 労働局は今年2月、立ち入り調査に着手。3月30日までに同社本社と同店にそれぞれ是正指導票を交付した。調査着手時点で、すでに改善されていたところもあり、労働局は、ヤマダ電機のケースのように違法行為を明確に認定する是正指導書の交付ではなく、今回は、「警告」にあたる指導票の交付にとどめた。

 ミドリ電化は指導に従い、是正したという。

 ミドリ電化は1961年設立。関西を中心に86店を展開し、2006年3月期の連結売上高は2565億円。正社員約2600人の約3割に相当する約700人のヘルパーを受け入れている。05年に業界第2位のエディオン傘下となった。

 ミドリ電化広報課の話「ヘルパーという存在が法的に大変微妙であることは十分理解しております。弊社単独で簡単に解決できる問題ではなく、メーカー、労働行政、あるいは立法面からも適切な解決策を生み出していく必要があるのだろうと思います」

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070409i105.htm?from=main1