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2007年04月09日(月) 00時34分

争点見えず、現職9知事全勝朝日新聞

 今回の統一選では、自民、民主両党が激突した5都道県知事選のうち、自民側が東京、北海道、福岡を制した一方、民主側も岩手、神奈川をおさえた。ただ、参院選のカギを握る無党派層が二大政党のどちらかに傾いたわけではなく、政党の存在感は薄かった。際立ったのは、政党が各地の選挙で現職を脅かすほどの争点を打ち立てることができなかったことだ。

 与党側は可能な限り現職やその後継者をかつぎ、争点より勝利を優先した。一方、民主は対立候補の擁立さえ難航し、政策で対立軸を示すまでには至らなかった。

 北海道では自民、公明の与党が推した現職と、民主党などが推した新顔がいずれも地域格差是正を掲げたが、政策に明確な差はなかった。福岡では、自民県議団が支持する現職に対し、民主、社民両党推薦の新顔が知事公舎売却や退職金の廃止などを掲げて挑んだが、有権者を強く引きつけるまでには至らなかった。

 一方、神奈川では、民主が実質支援した現職が、自民県連が擁立した新顔に圧勝した。

 4政令指定市長選でも、浜松以外は現職が当選した。

 知事選を与党側が制した北海道は、札幌市長選では逆の結果になった。民主などが推した現職に対し、自民、公明両党が推した元国交省幹部の新顔が国とのパイプを強調して挑んだが、財政再建や行革の必要性を訴えた現職に及ばなかった。民主が独自候補の擁立を見送った広島市長選では、社民党出身の現職が、自民推薦の前参院議員の新顔らを大差で破った。

 どの政党が推すかより、「現職」という要因が決定的だったことは、ここにも表れている。

http://www.asahi.com/politics/update/0409/TKY200704080135.html