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2007年04月07日(土) 06時26分

生命保険不払い、3社で30万件超 通院費補償特約朝日新聞

 生命保険大手の第一生命、住友生命、明治安田生命で、通院費補償に関して不払いのおそれのある契約が01〜05年度でそれぞれ10万件を超える見通しとなった。日本生命でも同様の問題がある契約が見つかっており、大手4社の不払いのおそれは、計50万件規模になる可能性もある。

 ほかの生保商品でも不払いが見つかるのは確実で、金融庁は13日に報告される各社の調査結果を詳しく調べ、行政処分を検討する方針だ。大量の不払いが表面化することで、契約者の生保不信が高まりそうだ。

 不払いのおそれが見つかったのは退院後の通院費も補償する「通院特約」と呼ばれる商品。入院費の補償契約とセットで、入院費として保険金を払う対象となる場合、退院後120日以内の通院にも1日あたり数千円を払う契約になっているケースが大半。生保によっては入院前の通院費を手当てする契約もある。

 生保各社の調査で、入院分は払ったのに通院分を払っていない契約が見つかり、大手4社の中には「通院分を全額払っていない契約は入院分を払った契約の半数を超える可能性がある」(幹部)との指摘もある。

 第一、住友、明治安田は、加入者側が請求を忘れている可能性がある契約を洗い出し、それぞれ10万件を超える契約者に通院費分も請求するよう催促する方針だ。入院の場合は、その前後に通院するケースがほとんどとみられ、催促対象の契約の大半で不払いが起きていたおそれがある。

 一部の生保はすでに請求の催促を始めているが、加入者側も自分や家族の保険金に不払いがないかどうか、どのタイプの保険に入っているかを保険証券などで確認する必要がある。

 金融庁は2月、生保各社に4月13日までに不払いの全体像を調べて報告するよう求めた。損害保険会社の不払い問題では、大手6社が昨年9月末段階で主力の自動車保険などを中心に計26万件を公表。その後の調査で件数がさらに膨らんだ。

 大手生保は13日の報告に合わせて、不払い件数などを公表する見通し。ただ一部の会社では、加入者に請求を促す対象となる件数が大きく膨らみ、調査が遅れている。調査が進むにつれ、不払い件数はさらに大きくなりそうだ。

http://www.asahi.com/business/update/0406/TKY200704060362.html