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2007年04月05日(木) 01時05分

特殊法人で「内職」? 年金事業に絡み別団体朝日新聞

 公的年金の積立金を運用していた厚生労働省所管の特殊法人で、総務部長や総務課長がメンバーとなって法人とは別の任意団体をつくり、法人が行っていた住宅ローン事業の申込書などを販売していたことがわかった。団体の事務所も法人内に置き、年間売り上げは多い時期には数千万円に達したとみられている。

 4日の衆院厚生労働委員会でこの問題を取り上げた細川律夫氏(民主)は「裏金づくりをしていたのでは」と追及。厚労省も「就業時間中に行っていたとすれば、就業規則違反の可能性がある」として事実関係の調査を約束した。

 年金積立金の運用は、現在は独立行政法人が担当しているが、00年度までは特殊法人の年金福祉事業団、01年度から05年度までは同事業団を改組した年金資金運用基金が行っていた。

 厚労省によれば、部長らによる任意団体「年金福祉研究会」は95年ごろにはすでに存在。福祉事業団が積立金を原資に行っていた住宅ローンの申込書や契約書を、窓口業務を委託していた金融機関に1部40〜100円で売っていた。96年度の住宅ローンの新規申し込みは約19万件に達しており、研究会には数千万円の収入があったとされる。団体の詳しい業務や法人との契約関係などは不明という。

 利益の使いみちははっきりしないが、最近では同僚の親族の葬儀を手伝った職員の交通費などにあてられたという。

 その後、特殊法人の業務見直しで住宅ローンの事業は廃止が決まり、新規融資は激減。研究会も05年には解散した。前年度からの繰越金30万円は、法令集の作成で全額使った。関係書類もすでに処分されたという。

http://www.asahi.com/national/update/0405/TKY200704040335.html