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2007年04月05日(木) 23時11分

オバマ流資金集め、10ドルからネット献金 米大統領選朝日新聞

 08年米大統領選で初のアフリカ系(黒人)大統領をめざす民主党のバラク・オバマ上院議員が4日、全米に衝撃をもたらした。今年に入り、たった3カ月間で約2500万ドル(約30億円)の選挙資金を手中に収めたことが明らかになったためだ。同党のヒラリー・クリントン上院議員が同時期に集めた約2600万ドルに迫り、互角の資金調達力を見せつけている。

08年米大統領選の主な候補が今年1〜3月に集めた資金

 オバマ人気は世論調査などで示されてきたが、これほど短期間に記録的な選挙資金を集めたことは、米メディアも予想を超えた結果と受け止めている。ビル・クリントン前大統領の人脈や集金マシンを引き継ぎ、99年のゴア前副大統領の記録(約890万ドル)をはるかにしのぐ過去最高額をはじき出したクリントン陣営にとっては打撃となりそうだ。

 今年1月から3月末に集めた選挙資金額についての民主、共和両党の各候補の発表によると、オバマ氏への献金は10万人以上からあり、クリントン氏の約5万人より多くの個人献金を引きつけている。このうち5万人以上は10ドルからのインターネット献金を利用し、総額は約690万ドル。クリントン氏へのインターネット献金約420万ドルを大きく上回る。

 オバマ氏は上院議員になって2年余り。全米レベルの支援組織はなく、当初から草の根を重視する姿勢を鮮明にしてきた。候補指名レースで重要なアイオワ、ニューハンプシャー州に通う一方、地元イリノイ州を回り、中南部のオクラホマのように軽視されがちな州にも足を運んだ。

 米国の一部にはクリントン氏への拒否反応が強く、対抗軸を模索する動きもある。有力な「新星」と見られているオバマ氏には、草の根だけでなく、ハリウッドの大物やウォール街の有力者からの大口献金も集まっている。

 オバマ氏は4日、「歴史的な反応だ」と謝意を伝えるメールを支持者に流した。クリントン陣営は祝意を表し、「国を変えたい渇望のあらわれだ」と強調。先頭走者の地位を脅かされながらも、あくまで民主党への期待の高さと意味づけようとしている。

 一方の共和党はふるわない。トップはロムニー前マサチューセッツ州知事。モルモン教徒の人脈や経済界との関係が背景にあるが、最近の支持率は低迷している。人気上昇中のジュリアーニ前ニューヨーク市長は総額1500万ドルのうち1000万ドルを3月中に得た。マケイン上院議員はイラクへの米軍増派支持が響いて伸び悩み、オバマ氏の半分しか集まっていない。

http://www.asahi.com/international/update/0405/TKY200704050404.html