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2007年04月02日(月) 08時00分

【首都の選択 都知事選07】無党派層取り込め ラストサンデー産経新聞

 ■各候補 花見、ホコ天で訴え

 「首都の顔」を決める東京都知事選は投票日まで残り1週間となったラストサンデーの1日、好天にも恵まれ、有力候補が買い物客でにぎわう繁華街や駅前のほか、花見客でごった返す桜の名所などで力強く支持を訴えた。各陣営とも勝敗の鍵を握る無党派層の取り込みに懸命となっている。

 ≪痛めたのどで≫

 共産党推薦の元足立区長、吉田万三氏(59)は多摩西部地区の駅前を中心に遊説。「力を合わせ石原都政を打ち破ろう。投票日まであと1週間、最後までがんばります」と訴えた。

 吉田氏は数日前にのどを痛め、31日に墨田区の隅田川沿いのお花見スポットで支援を訴えた後、遊説をキャンセルしていた。しかし、この日は、意気込みを見せ、「都政の私物化をやめさせる。税金の使い道を開発から暮らし優先へ改める。憲法を都政に生かす」と声を振り絞って持論を展開した。

 ≪下町練り歩き≫

 「また石原に力を貸してください」。下町情緒が残る江東区の門前仲町。満開の桜を背に、3選を目指す石原慎太郎氏(74)は声をからした。医療費助成など福祉政策の充実を訴えると、花見客ら大勢の聴衆から拍手が起こり、「ありがとう」と笑顔で応じた。

 石原氏は演説後、選挙カーを降り、陣営の「のぼり旗」部隊を引き連れ、桜並木を練り歩く選挙戦初の“桃太郎作戦”を展開。もみくちゃにされながらも握手を求める大勢の有権者に対し、「石原スマイル」を絶やさなかった。

 ≪勝手連が集結≫

 元宮城県知事、浅野史郎氏(59)は銀座、秋葉原、新宿の歩行者天国に登場。車道を埋めんばかりの聴衆を前に震災対策や教育問題を訴え、休む暇なく有権者とは握手を繰り返した。

 銀座では、浅野氏を支持する約150の勝手連が集結。「明日の天気は変えられないが、明日の政治は変えられる」と得意のフレーズを叫ぶと、約1500人の聴衆からは“浅野コール”がわき起こった。

 浅野氏は勝手連のストリートパフォーマンスにも顔を出し、有権者に自身のマニフェストを訴えていた。

 ≪都民と双方向≫

建築家の黒川紀章氏(73)は、中野区の中野サンプラザで「緊急都民対話集会」を開き、参加者を壇上に上げて意見を交わした。

 集会には約100人が参加。黒川氏が独自の防災計画などについて説明したあと、壇上の中野区の主婦が「五輪と福祉を両立できないのか」などと質問。黒川氏は「障害者と健常者が一緒に競技する世界初のパラリンピックを開くべきだ」などと答えていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070402-00000017-san-soci