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2007年04月02日(月) 14時43分

「近未来」社長は中国潜伏か、詐欺容疑で逮捕状請求へ読売新聞

 IP電話の中継局への投資名目に、約2000人から300億円以上を集めた「近未来通信」(昨年12月20日に破産)を巡る詐欺事件で、同社の石井優社長(50)が破たん直前の昨年11月に韓国へ出国後、中国に渡っていたことがわかった。

 現在も所在がはっきりしないため、警視庁捜査2課は近く、詐欺容疑で石井社長の逮捕状を請求したうえで、帰国の見通しが立たない場合、国際刑事警察機構(ICPO)を通じ、国際手配の手続きに入る。同課は、元幹部数人についても同容疑での立件に向けて捜査を進める方針。

 同課は、近未来通信が破産手続きに入る直前の昨年12月4日、東京・中央区の本社や、IP電話の中継局がある関連会社など約20か所を詐欺容疑で捜索し、国内94か所の中継局の通信用サーバー1389台ほぼ全台を押収した。

 これらの通信用サーバーの大半は、通話料収入を得る見込みのない旧式なもので、同課では、同社がその購入代金として投資家から集めた資金をどのように使ったか、複数の元幹部の事情聴取を続けてきたが、昨年11月17日に韓国に出国した石井社長については、直接、連絡が取れない状況が続いていた。

 このため石井社長の足取りを追ったところ、同社の海外の中継拠点として、通信用サーバーが設置されている中国に入国していたことが判明。現在も中国に潜伏している可能性が高く、同課は詐欺容疑で逮捕状が取れ次第、関係機関に所在の確認を要請し、国際手配の準備に入る。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070402i105.htm