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2007年04月02日(月) 12時03分

<近未来通信>石井社長の逮捕状請求へ 国際手配方針毎日新聞

 IP電話会社「近未来通信」(東京都中央区、破産手続き中)の詐欺事件で、警視庁捜査2課は、通信用サーバーの購入費名目で出資金をだまし取ったとして、週内にも詐欺容疑で石井優社長(50)の逮捕状を請求する方針を固めた。石井社長は中国にいるとされ、同課は、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配するとともに、他の役員についても詰めの捜査を進める。
 同社は、インターネット網と電話回線をつなぐ通信用サーバーの購入費名目で、1台あたり約1100万円の出資を募集。投資家には「サーバーの使用で得られる通話料収入から配当する」と説明し、少なくとも2000人から400億円を集めた。しかし昨年9月以降、投資家への配当の支払いが滞り、11月には本社や支店を突然、閉鎖した。
 同課は12月4日に同社を家宅捜索。各地に置かれた通信用サーバーを押収して分析を進めた結果、大半はソフトの設定すらされていない状態だった。IP電話利用者もわずかで、事業にはほとんど実態がないことが判明した。集めた出資は過去に出資させた投資家への配当に回すなど、自転車操業的に資金を回していたことも分かり、同課は、石井社長らが虚偽の宣伝によって出資金を詐取した疑いが強いと判断した。
 石井社長は11月中旬、出資金2億5000万円を持って出国したことが分かっているが、現在は中国に滞在しているとされる。【石丸整、鳴海崇】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070402-00000028-mai-soci