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2007年03月31日(土) 12時24分

神戸連続児童殺傷事件の加害男性が、遺族に謝罪の手紙朝日新聞

 神戸市須磨区で97年に起きた連続児童殺傷事件で、当時14歳だった加害男性(24)が今月、犠牲となった山下彩花(あやか)さん(当時10)の遺族に対し、謝罪の手紙を送っていたことが分かった。加害男性は、関東医療少年院を仮退院後の04年8月に、仮退院前と後に書いたとみられる2通の手紙を彩花さんの遺族に届けていたが、05年1月に同少年院を本退院してからは初めて。

 彩花さんの母、京子さん(51)によると、京子さんと夫は29日、神戸市内で男性の両親と代理人、支援者と1時間余り面会。男性の近況などを聞き、直筆の手紙を受け取ったという。便箋(びんせん)3枚にボールペンで書かれており、大事な家族を奪ったことに対する謝罪の気持ちが繰り返し記されていたという。以前の2通と比べて特別な変化は感じなかったが「少し字がまるくなったような印象」という。

 京子さんは「罪と向き合おうという意識や生きていこうとする意思は読み取れたが、今男性が何をしているのか、私が知りたいことは分からなかった」という。また、謝罪の言葉はあるものの、「これから具体的にどのように償っていくのかが全く見えてこない」と感じたという。

 京子さんは「生きていくことはつらいと思うが、とにかく生きてもらいたい。そして、どう償っていくのかを示して欲しい」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/0331/OSK200703310063.html