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2007年03月31日(土) 00時00分

県議選スタート 混戦・激戦熱く訴え朝日新聞

 県議選が30日告示され、統一地方選の前半戦は中盤に入った。選挙区再編、定数削減後初の選挙で、定数48に対し75人が立候補した。自民、民主の二大政党に、公明、共産、社民、無所属候補なども加わり、県内各地で論戦がスタートした。17選挙区のうち、宮古、久慈選挙区(各定数2)は無投票で当選者4人が決まった。県議選は知事選とともに、4月8日に投開票される。

 候補者の内訳は、党派別で、自民16、民主30、公明1、共産4、社民4、岩手政和会4。無所属は16のうち自民推薦が3、民主推薦が2。政和の候補は、県議会の旧政和会(現政和・社民クラブ)に所属した4人。

 現職39人に対し、新顔31人、元職5人が立候補した。女性候補は前回と同数の6人だった。

 主な選挙区をみると、定数が10と最も多い盛岡、市町村合併で選挙区が拡大した奥州、一関(各定数5)に多くの候補者が立って競い合っている。また、定数が2から1に減った大船渡、下閉伊、九戸でも1議席を巡る激しい争いとなっている。

◇盛岡選挙区◇

 盛岡選挙区は定数10に、県内の選挙区では最多となる13人が届け出た。雪が降る中、候補者の多くは、選挙事務所前で第一声を上げた。

 盛岡市の中心部で第一声を行った現職候補は、700人(陣営発表)の支持者らに「誠意を持って信頼のある政治を行い、皆さんの声を県政に届けていきたい」とあいさつした。

 県庁前で昼ごろ演説した元職の候補は「競馬組合の存廃問題など、様々な危機を夢に変えられるよう、職員や県民の声を政策にしていきたい」と支持を訴えた。

 ある新顔候補は、住宅街などを選挙カーで回りながら、教育問題を取り上げ、「子どもたちの未来のため、もっと教育に予算をつぎ込むなど、教育のあり方を県議会で発言していきたい」と訴えていた。

◇一関選挙区◇

 一関選挙区は定数5に、8人が立候補した。このうち5人が自民と民主が推す候補だ。自民系が2人に対して、民主は現職2人と新顔1人の計3人が立候補した。

 「政権与党の自民党とのパイプがなければ、県南の発展はありません」。自民公認候補の出陣式では、民主への対抗心が前面に出た。集会には、知事選の自民推薦候補も駆けつけた。そして候補者は「県議会という『甲子園』に出場させて下さい」と同時進行の話題を例えに訴えた。

 一方、民主公認で現職の後援会幹部は「(民主推薦の)知事との連動で地域課題を実現出来るのは(民主勢力の)我々でしょう」と自民の主張に余裕の反論。だが、民主だけで3人立った選挙は「地域割り、組織割りが正直厳しい。切磋琢磨(せっ・さ・たく・ま)です」と「立ち位置」は孤高にと決めている。

◇花巻選挙区◇

 旧花巻選挙区と旧稗貫選挙区の合区後初であることに加え、旧花巻選挙区で昨年2月にあった県議補選の結果も絡み、激戦に拍車をかけている。

 補選で議席を確保できなかった自民新顔は、花巻市内での第一声で、「1議席奪還のために全力を尽くす」。駆けつけた玉沢徳一郎・党県連会長も「知事選、県議選で民主主導の県政を替えよう」とげきを飛ばした。

 社民の新顔は、前回選挙、補選に続き3度目の挑戦だ。花巻市内の街頭演説で、「地場産業を振興させ、花巻に活力を」と訴えた。補選でトップ当選の無所属の現職は、花巻市内の街頭演説で、「組織も金もないが、志だけはある。みんなで明日の政治を変えよう」と語りかけた。

 一方、民主の現職3候補は、それぞれが地盤とする旧花巻市、旧石鳥谷町、旧東和町でそれぞれ第一声。事務所開きなどでは小沢一郎党代表のメッセージが紹介され、知事選と両輪での選挙戦が強調された。

◇奥州選挙区◇

 旧江刺、水沢、胆沢の3選挙区が合区され誕生した奥州選挙区は、10人が5議席を争う激戦区。

 民主現職は第一声では、支持者が馬を模した帽子をかぶって登場し、県競馬組合への融資案可決に奔走した実績をアピール。「(奥州市を)県南の中核に位置づけるため、産業振興を進める」と訴えた。

 別の民主現職は午前9時すぎ、奥州市内の事務所前で約400人の支持者に、北海道夕張市が財政再建団体になったことに触れ「次世代につけを回さず福祉や農業に重点的に投資して街をつくっていこう」とあいさつ。

 一方、自民推薦で無所属の元職は「このままでは(奥州が)夕張市のようになってしまうという危機感から立候補を決意した。まだ解決していない競馬問題も議論させてほしい」と呼びかけた。

http://mytown.asahi.com/iwate/news.php?k_id=03000000703310001