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2007年03月31日(土) 00時00分

東海第二でも4件ーー原発、不適切事例公表朝日新聞

◆改ざんや警報器外し
 昨秋発覚した中国電力のデータ改ざんを受け、国がすべての電力会社に再調査を求めていた問題で、日本原子力発電は30日、東海第二発電所でも検査データ改ざんなどの不適切事案4件が新たに判明したと発表した。一方、日本原子力研究開発機構では、事故などの未報告はなかったという。

 社員やOB約2100人へのアンケートや聞き取り調査などで調べた。
 東海第二の未報告事案4件のうち検査数値の改ざんは2件。1980年末から01年8月の間、国の担当者が立ち会う総合負荷性能検査で、主蒸気流量計などの数値を改ざんし、目標値や前回計測値に合わせていた。また、検査とは関係のない警報器の配線を外していたこともあったという。

 改ざんや警報器外しは計約90カ所。検査前に担当者が集まり、検査責任者などの判断で指示されていた。同社は「検査をスムーズに進めるためだった」と釈明しているが、いずれも検査妨害として電気事業法に抵触した可能性があるという。

 このほか、00年8月に落雷で原子炉が自動停止した際、冷却水を注入する弁の操作に手間取り、非常用炉心冷却装置(ECCS)が作動したが、報告していなかった。法令上の報告対象ではなかったためだという。
 東海第二発電所の青柳雅夫所長は「現在まで引きずっている事案はないが、事態を受け止め、真摯(しん・し)に反省したい」として、4月に再発防止策をまとめる考えを示した。

 脱原発とうかい塾代表の相沢一正さんは「やっぱり隠していたか、という印象。全体的な安全に対する信用低下につながる」などと話した。

◆不適切な管理、再発防止を検討ーー原子力機構
日本原子力研究開発機構は、原子炉施設での事故や故障、臨界に至るようなケースの国への未報告はなかったと発表した。ただし、安全が確認されており報告義務のない自動停止事例について、記録漏れや連絡漏れなどの不適切な管理があり、同機構は再発防止策を検討するという。
 同機構が調べたのは、原子力科学研究所と大洗研究開発センター内の計10施設で、過去10年間の運転記録の確認や関係者の聞き取りなどをした。
 そのうち2施設で、自動停止の時刻が運転日誌に未記入だったり、担当部長らに連絡していなかったりしたケースが計26件あったという。

http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08000000703310002