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2007年03月31日(土) 00時00分

2007統一地方選 県議選公示朝日新聞

【新駅・ダム、論戦再び】
【47議席に77人立つ】
【「嘉田新党」激戦に拍車】

 ほころび始めた桜のそばを候補者の名を連呼する車が通り過ぎる——。30日、県議選(定数47)が告示され、立候補を届け出た77人による9日間の選挙戦がスタートした。選挙区は合併で前回の19区から今回は17区に減ったが、候補者数は11人上回った。無投票で当選が決まったのは2区と、前回の6区から大きく減少。嘉田由紀子知事の政策実現のため公認、推薦候補19人を擁立した「対話でつなごう滋賀の会」(対話の会)が激戦に拍車をかけた。新幹線新駅の是非や各地域の問題などを争点に、4月8日の投票日を目指して舌戦が展開される。

 立候補したのは、現職33人、元職2人、新顔42人。公認の党派別では、自民24人、民主14人、公明2人、共産7人、対話9人、無所属21人。近江八幡市、野洲市の2区に立った計4人が無投票で当選した。

 対話の会は15選挙区に公認9人、推薦10人を擁立。新幹線新駅の凍結やダム建設の見直しなど、嘉田知事がマニフェストに掲げた政策が実現しないのは県議会が抵抗するためだとして、知事与党の勢力を伸ばしたい考えだ。ただ、対話の会が過半数割れを目指す自民の推薦も受けた候補がいるなど、党派を超えてどれだけ支持を集められるかが焦点になりそうだ。

 選挙区ごとに見ると、大津市区(定数10)は現職7人、新顔8人の計15人が立候補。自民4人、民主、公明、共産が各2人、対話3人、無所属2人が議席奪取を目指し、選挙カーを走らせた。

 彦根市区(同4)、長浜市・東浅井郡区(同3)、東近江市区(同4)の3選挙区は、定数より3人多い候補が立つ激戦となった。

 新幹線新駅問題が争点となる栗東市区(同2)は、推進派2人、凍結派2人の計4人による選挙戦に突入。有権者の判断が注目される。

 定数1の選挙区は犬上郡区、伊香郡区がいずれも、自民推薦と、民主、対話推薦の無所属新顔2人がぶつかる構図。愛知郡区は新顔3人の三つどもえの争いになった。

【草津・多賀議員補選へ】

 草津市議補選(被選挙数6)が、統一地方選後半と同じ4月15日告示、22日投開票の日程で実施されることが決まった。市議4人が県議選へ挑み30日までに辞職や失職したため、欠員が公選法の規定を上回った。

 公選法は欠員が定数の6分の1を超えれば補選をするよう定めており、定数24の草津市議会は欠員5以上で補選になる。同市議会は昨年末時点で欠員2となっており、今回、県議選を目指す2人が3月議会最終日の27日に辞職、2人が県議選立候補に伴い自動失職し、欠員が計6になった。

 立候補予定者説明会は4月3日午後1時半から市役所2階特大会議室で開かれる。

    ◇

 多賀町でも町議1人が県議選に立ったため、町議会(定数12)の欠員が公選法の規定を上回り、町議補選(被選挙数3)が4月17日告示、22日投開票の日程で実施されることになった。立候補予定者説明会は4月9日午後2時から町役場で。

【公選法違反警告は18件/県警】

 県警によると、30日現在で公職選挙法に違反するとして警告したのは18件。ポスターやチラシの事前配布、掲示が大半で、中には事前に駅前で支持を訴える演説をした候補もいたという。

 県警は20日に統一地方選挙違反取締本部を設置し、捜査2課員ら74人を中心に取り締まりを続けている。

【近江八幡 野洲無投票で4氏当選】

 県議選は30日午後5時で立候補の届け出が締め切られ、近江八幡市区(定数2)と野洲市区(同2)の2選挙区で無投票となり、対話の会が推薦した2人を含む計4人が当選した。

 近江八幡市区は、無所属新顔で立候補を準備していた人が出馬を取りやめ、民主新顔の今江政彦氏、無所属新顔の中谷哲夫氏が当選。自民、対話の推薦を受けた中谷氏は自民党会派に入る意向を示したうえで、「いつまでも自民と嘉田由紀子知事がけんかしているようではいけない。私が接着剤になりたい。嘉田知事を支えていくことに変わりはない」と話した。

 野洲市区では、自民現職の吉田清一氏、民主現職で対話推薦の青木愛子氏が、前回に続いて無投票当選。青木氏は「うれしい半面、選挙戦で政策を訴えたり有権者の意見を聞いたりする機会がなくて残念。対話の会だけでは嘉田知事を守れない。民主も加わって本格的に支えていきたい」と話した。

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000703310003