午後6時55分。閉店を知らせる「蛍の光」が流れても店内は身動きが取れないほど混雑。従業員も「最後の最後です。お買い逃しのないように」と声をからした。
午後7時、閉店の時間には従業員約100人が正面の出入り口に並んで最後の客を見送った。最後に戸上雅雄社長が「本日をもって41年間の歴史に幕を下ろします。本当にありがとうございました」と深々と頭を下げてあいさつ。正面のガラス扉が閉められ、シャッターが下りると約500人の買い物客らの大きな拍手が鳴り響いた。
閉店を聞いて駆けつけたという同店第1期生の主婦井上美知江さん(59)=福岡県那珂川町=は「こんなに早く閉店するなんて。開店に携わった思い出の残る場所がなくなるのは寂しい」と惜しんだ。
同店は、最近は天神地区の百貨店などにおされて業績が低迷。新博多駅ビルの核テナントを阪急百貨店などと争ったが、JR九州は昨年4月、同店に決定した。
新駅ビルは九州新幹線が全線開通する11年春に開業予定。地上10階、地下3階建てで、床面積は現ビルの約6倍の20万平方メートル。うち商業施設に約11万平方メートルを確保する。阪急百貨店のほか生活雑貨店大手の東急ハンズや複合型映画館も出店する。