同日午後4時1分、輪島港の船舶会社から市役所に「漁港の水位が約1メートル下がっている」と連絡があった。津波の恐れがあるとして市災害対策本部は4時5分、防災無線で市内全域の海岸部や沖合約50キロにある舳倉(へぐら)島の住民に海岸に近づかないよう呼びかけた。被害が大きかった旧門前町でも沿岸部の黒島地区で海面が50センチほど下がるのが確認され、普段は海底にある岩が見えたという。
石川県漁協輪島支所は4時10分ごろ、防災無線で組合員に船を沖へ出すよう呼びかけた。輪島漁港に停泊中の漁船約250隻のうち、230隻が沖に避難した。
4時57分、気象庁から市役所に連絡が入った。海面の低下は気圧の急変によるものと判明し、富山湾でも同様の現象が確認されたという。市は午後5時10分ごろ、防災無線で津波の恐れはないことを住民に連絡。沖に出た漁船も港に戻った。
日本海では同日、能登半島の西側で前線を伴う低気圧が急速に発達していた。気象庁が石川県珠洲(すず)市に設けた潮位計のデータによれば、海面は午後3時45分ごろから急に約30〜40センチの昇降を繰り返し、変動は数時間にわたって続いた。
http://www.asahi.com/national/update/0331/OSK200703310150.html