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2007年03月31日(土) 21時49分

輪島市近海で潮位急変動、低気圧の仕業と判明 能登地震朝日新聞

 能登半島地震で大きな被害が出た石川県輪島市の近海で31日午後、海面の水位が突然変動を始めた。同市は住民に避難を呼びかけたが、津波ではないことが判明。気象庁は、日本海で急激に発達した低気圧が海面を吸い上げた影響とみている。

 同日午後4時1分、輪島港の船舶会社から市役所に「漁港の水位が約1メートル下がっている」と連絡があった。津波の恐れがあるとして市災害対策本部は4時5分、防災無線で市内全域の海岸部や沖合約50キロにある舳倉(へぐら)島の住民に海岸に近づかないよう呼びかけた。被害が大きかった旧門前町でも沿岸部の黒島地区で海面が50センチほど下がるのが確認され、普段は海底にある岩が見えたという。

 石川県漁協輪島支所は4時10分ごろ、防災無線で組合員に船を沖へ出すよう呼びかけた。輪島漁港に停泊中の漁船約250隻のうち、230隻が沖に避難した。

 4時57分、気象庁から市役所に連絡が入った。海面の低下は気圧の急変によるものと判明し、富山湾でも同様の現象が確認されたという。市は午後5時10分ごろ、防災無線で津波の恐れはないことを住民に連絡。沖に出た漁船も港に戻った。

 日本海では同日、能登半島の西側で前線を伴う低気圧が急速に発達していた。気象庁が石川県珠洲(すず)市に設けた潮位計のデータによれば、海面は午後3時45分ごろから急に約30〜40センチの昇降を繰り返し、変動は数時間にわたって続いた。

http://www.asahi.com/national/update/0331/OSK200703310150.html