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2007年03月31日(土) 01時24分

病気腎移植、低い生存率 万波移植を学会調査朝日新聞

 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠・泌尿器科部長(66)らによる「病気腎」移植問題で、日本移植学会の専門医が30日、市立宇和島病院で万波医師が実施した移植25件を調べた結果、生存率や、移植した腎臓が機能しているかを示す生着率が通常の腎移植と比べて低かったと発表した。

 厚生労働省で記者会見した同学会幹事の高原史郎大阪大教授によると、25件は、腎がんやネフローゼ症候群の患者らから摘出された腎臓を93〜03年に移植手術したもの。うち9人はすでに亡くなっていた。

 5年後の生存率は71.7%で、生着率は35.4%。がんの11件でみると、5年後の生存率は46.7%、生着率は21.8%だった。

 同学会によると、全国の生体腎移植の5年生存率は90.0%、92年以降のこの移植での生着率は83.4%で、25件ではそれぞれ18.3ポイント、48ポイント低く、さらにがんでは43.3ポイント、61.6ポイント低かった。

 高原教授は「極めて低い成績だ。がんが持ち込まれた可能性も否定できない」と話している。

http://www.asahi.com/life/update/0331/002.html