九州農政局は29日、ナルトビエイと呼ばれる暖海系のエイが有明海で繁殖し、特産の二枚貝のアサリやタイラギを食べているなどとする調査結果を、福岡市で開いた有明海漁業環境改善連絡協議会で報告した。
温暖化で冬でも海水温が下がらないためではないかといい、農政局は「資源に大きな影響を与えていると考えられる」としている。
ナルトビエイは幅1—1.5メートルほどで、多くは熱帯や亜熱帯の海域に生息するが、近年は九州近海などで相次いで確認されている。
調査は有明海の環境変化を調べ漁業資源の再生策を探ろうと、2004年度から3年計画で進められた。今回の結果には不明な点も多いとして、農政局は07年度も継続する。
協議会には漁業関係者や有明海沿岸の4県などが参加。海水の酸素濃度が魚介類が生息できないレベルにまで下がる「貧酸素現象」が、有明海奥部や諫早湾で同時に起こる傾向があること、貧酸素現象の海水域が潮の満ち引きで移動していることなども報告された。
ZAKZAK 2007/03/30