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2007年03月30日(金) 00時00分

五輪施設、環境保護・省エネに配慮した設計に朝日新聞

 2008年北京オリンピックの競技施設の建設を担当する「北京2008工事建設指揮部弁公室」報道官の呉競軍・総工程師は、28日の記者会見で、次のようにコメントした。

 省エネルギー・環境保護設計を全面的に実行し、エコロジー建設工事を実施して、「緑色五輪(エコロジー)」、「科学技術五輪」、「人文五輪(ヒューマニズム)」の理念を遂行することは、北京五輪誘致時の承諾事項であり、あらゆる新築施設および関連施設は、省エネルギー設計基準をまず厳格に守らなければならない。

 五輪施設の建設工事では、エコロジー・環境保護・省エネルギーと利用者への配慮との調和統一を全体的に体現しなければならない。例えば、国家体育場の設計では、雨水収集・処理・再利用という3つの主要段階に分け、雨水の利用が十分に考慮されている。収集・処理後の雨水は、競技場の芝生灌漑、エアコン冷却水、トイレ掃除、緑化、消防など9種類の用途に用いられ、市の優れた中水道とともに、国家体育場の水回収システムを構成する。国家体育場の雨水利用設計試算では、年間平均約6万トンの節水が可能となる。オリンピック選手村居住区の建物計42棟では、再生水の熱ポンプシステムというエコ・エアコンシステムを採用、通常のエネルギー供給システムに比べ、電気エネルギーを40%節約できる。

 オリンピック選手村ではまた、6000平方メートルの太陽熱給湯システムが採用されている。水平式の太陽熱収熱パイプが屋上庭園に設置され、屋根の一部を構成、屋上庭園と一体化している。オリンピック選手村の太陽熱給湯システムは、集熱・伝熱、熱交換昇温、蓄熱殺菌、予備熱源、保温保量、余熱利用、自動制御など各プロセスを総合的に考慮したもので、その工事規模や技術先進度は国際最高水準を備え、過去の五輪の中で最高レベルに達している。五輪開催期間中には、出場選手1万6800人(シドニー:1万5300人)に、シャワーの湯を提供する。五輪後は、全区内2000戸の住民に湯を供給する。

http://www.asahi.com/international/jinmin/TKY200703300211.html