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2007年03月30日(金) 11時44分

関テレに「警告」 総務省「あるある」問題で朝日新聞

 菅総務相は30日、関西テレビ制作の「発掘!あるある大事典2」の捏造(ねつぞう)問題で、関テレに対して行政指導では最も重い総務相名による「警告」を出した。「報道は事実を曲げない」とする放送法に違反すると判断した。総務省は、キー局のフジテレビにも厳重注意の行政指導をする方向だったが、最終段階で見送った。

行政指導を受けた後、記者の質問に答える関西テレビの千草社長=30日午前11時21分、総務省で、越田省吾撮影

 同日の閣議後会見で、菅総務相は「長期にわたって事実と異なった放送が8件も行われた。国民の信頼を裏切ることで、きわめて遺憾だ」と述べた。

 関テレには、再発防止の実施状況を3カ月以内に報告するよう求める。また、警告文には、問題が再発した場合には法的処分をとる可能性に触れる異例の書き込みを加える。電波法に基づく「停波」処分などを下すことになる。

 一方、総務省は系列局にも「捏造番組を流した責任はある」(幹部)として、フジテレビをはじめ系列の各局にも「厳重注意」などの行政指導をする方向でいったん調整を進めたが、最終的に指導はしなかった。菅総務相は「編集権の問題もあり難しい。これまでも(系列局には)指導していないので見送った」と説明した。

 菅総務相は同日午前、関テレの千草宗一郎社長に指導文を手渡した。千草社長は記者団に「大変重く、厳粛に受け止めたい」と述べた。4月3日に検証番組を放送し、その後、経営責任を明らかにする方針だ。

http://www.asahi.com/culture/update/0330/010.html