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2007年03月30日(金) 00時00分

クラブ通いにハマった姉読売新聞

 22歳男子大学生。2歳違いの姉はこのところ毎週末クラブに出かけ、朝帰りします。いわゆる「一夜限りの関係」もあるようです。

 以前はそういうことはありませんでしたが、「出会いがないし、合コンでは選べる男性が少ない」という思いで一度行き、はまってしまったようです。

 家族も最初は注意していましたが、姉は聞きません。最近話すことと言ったら、クラブで出会った男のことばかりです。

 僕にも「クラブは超楽しいから、あんたも行ってみれば」と勧めます。「本気で恋愛する男や結婚相手が出来たときには、クラブ通いのことは秘密にしてほしい」とも言われます。

 姉のクラブ通いをやめさせ、清い恋愛をさせるには、どうすればよいでしょうか。クラブは不潔、ふしだらと思いこんでいる僕の考えが古くさいのでしょうか。(東京・S男)

 姉が、弟にクラブで出会った男の話ばかりをするのはなぜか。将来の結婚相手には秘密にしてほしい、と言うのは、今の自分をいいと思っていないからか。クラブ通いがやめられないのは、満たされないものがあるせいか。これまで「良い子」をやりすぎた反動、親への反抗か。

 というように、人がなにかにハマるには、たいていはわけがあるものです。

 あなたは、姉と話のできる弟なのですね。ならば「クラブは不潔、ふしだら」との視点だけではなく、「そこに、いったいなにがあるのか」を深く話し合う機会を持ってはいかがでしょう。

 自分の気持ちを語れる相手がいると、一人では気づけない思いを発見したりします。あなたと話すことで姉の問題がすぐに解決するわけではないでしょうが、いろんな道を通って、人は成熟していきます。姉は姉の道、あなたはあなたの道を紆余曲折(うよきょくせつ)しながらそれぞれの価値観で行くしかありません。けれど、傍らにいるあなたのまっすぐな気持ちが、どこかで姉の人生の暴走の歯止めになるかもしれません。そう信じて、向き合っていってください。

 (久田 恵・作家)

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/kazoku/20070330sy11.htm