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2007年03月30日(金) 00時00分

県議選きょう告示朝日新聞

 統一地方選挙の前半戦となる県議選(定数58)が30日に告示される。民主党が推した佐藤雄平知事が誕生して初めての県議選で、結果次第で県議会の勢力図が大きく塗り替わる可能性もある。野党色を打ち出す最大会派・自民党が単独過半数を維持できるか、それとも、与党の民主党が中心となる第2会派・県民連合が議席を伸ばすか、が最大の焦点になりそうだ。

 朝日新聞の立候補予定者調査では、党派別の公認・推薦は、自民党が36人を公認、1人を推薦。民主党は12人を公認、9人を推薦。社民党は4人を公認、民主と同じ6人を推薦する。公明党は3人、共産党は6人を公認した。政党からの推薦を受けない候補者は10人となっている。

 自民党は当初、白河市や二本松市を含む全23選挙区での候補者擁立を目指した。だが結局、調整がうまくいかず、公認候補者は前回より5人減ることになった。前回は41人を擁立し、37人が当選したが、その後、首長への転向や辞職が相次ぎ、現時点では31議席に減っている。すでに、一部の常任委員会では自民党とその他会派が同数になっており、苦しい議会運営を強いられている。

 同党は、過去40年以上も、30台前半〜40台の議席を確保し、単独過半数を維持してきた。対抗する県民連合が候補者を大量に擁立したことについて、県連内には「前知事が代わったことで相手が勢いづいている部分もあり、厳しい選挙は免れない」(県連幹部)との危機感が強まっている。吉田弘・県連幹事長は「最低限、現有議席は確保しなければならない」と話している。

 現在15議席の県民連合では、計25人(推薦を含む)が立候補する。中核は民主党で前回の3倍の12人を立てた。同会派の瓜生信一郎代表は「佐藤県政を支える会派は県民連合だ、ということを有権者にアピールしていきたい」と話す。

 共産党は、前回8人を擁立したうち当選したのは2人で、代表質問が出来る交渉会派(5人)の座を失った。今回6人を擁立し、交渉会派に復活することを目指す。

 ◇各政党 かく戦う

 ●信頼回復が第一
 吉田弘・自民党県連幹事長 昨年の県政汚職事件で失墜した県民の信頼を、一日も早く回復できるよう正々堂々と戦いたい。県議会では野党ではあるが最大会派。財政再建や子育て支援、地域医療、教育改革などに重点的に取り組み、「是々非々」の姿勢で県政運営に努めていく。特に少子化対策では、若い人が安心して子どもを産める環境づくりを進めたい。

 ●生活密着目指す
 渡部譲・民主党県連幹事長 佐藤雄平知事が、開かれた県政、親しみやすい県庁、県民主体の県政を執行できるように、公認12人、推薦9人の全員が当選できるよう全力投球する。東京への一極集中、地域格差をなくし、生活密着型の政治の実現を目指す。県議選後に控えている市町村議選でも勝利し、政権交代の原動力になってもらう戦いと位置づける。

 ●4年の実績訴え
 甚野源次郎・公明党県本部代表 県政汚職事件で揺れた県政の刷新と県議会のチェック機能強化が最大の争点。県立医大の女性専門外来設置やドクターヘリの導入、小児救急医療の整備など医療や福祉分野での4年間の実績を訴えたい。今後は思い切った子育て支援対策が必要。福島市で実現した小学6年生までの医療費無料化を全県に広げるよう努力したい。

 ●格差是正が争点
 加藤雅美・社民党県連幹事長 今回の県議選は格差是正が争点。自民党は一貫して公共事業の拡大を唱え、小泉改革の中で格差が広がってきた。こうした中で、社民党が県議選で公認した4人の候補全員を当選させ、議席を守ることが、格差是正のカギになる。労働組合などの支持基盤を固めたうえで、平和憲法を守りたいという県民の票を掘り起こしていきたい。

 ●議会チェックを
 最上清治・共産党県委員長 暮らしへの悲鳴と政治への怒りが噴出している。今こそ県政に福祉の心を取り戻すときだ。無駄な大型事業や議員の海外視察などを中止し、暮らし応援の県政に転換する。県民から激しい批判が出た県政汚職後、初めての県議選だ。「オール与党体制」にくみしていなかった共産党が、議会のチェック機能を取り戻したい。

http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000000703300004