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2007年03月30日(金) 17時01分

認知症の高齢者に家電不当販売 外資系業者、業務停止に朝日新聞

 認知症の高齢者らに家電製品を不当に売りつけるなど、特定商取引法違反の疑いがある勧誘をしたとして、経済産業省は30日、外国企業が100%出資する日本法人「ルックス・ジャパン」(横浜市)に6カ月間、新規の契約などを禁じる業務停止命令を出した。特商法に基づいて同省が100%外資系の業者に命令を出すのは初めて。

 同省や関係者の話によると、同社の販売員は自宅などを訪問。認知症で判断力が不足しているお年寄りや、年金生活を送ったりして支払い能力がないとみられる客に、掃除機、浄水器、空気清浄機など、約20万〜50万円の商品を売りつけていたという。

 認知症の高齢者の介護に訪れたヘルパーが契約書を発見。いったん解約させたが、すぐに再び新たな商品の契約を結んだ例もあったという。

 同省は、こうした営業は判断力の不足につけこんだ契約や、財産の状況に照らして不適当な勧誘を禁じた特商法に違反すると判断した。

 同社を巡っては、全国の消費生活センターなどに今年度までの2年間で600件程度の相談が寄せられ、うち7割以上が60歳以上からだという。

 また、同省は信販会社に対する指導も検討している。

 同社はこのほか、電話で勧誘する際に「300円で掃除します」などと告げて訪問。そこで勧誘し、商品を売ることもあった。断ってもしつこく勧誘するケースもあったという。

 同社や同省の説明によると、同社は掃除機の老舗(しにせ)とされるスウェーデンの大手家電メーカーの日本法人として設立。現在はドイツ企業のグループでシンガポールの会社の100%出資の日本法人。

http://www.asahi.com/national/update/0330/TKY200703300255.html