記事登録
2007年03月30日(金) 14時38分

大手養鶏会社元会長ら有罪 鳥インフルエンザ届け出怠る朝日新聞

 高病原性鳥インフルエンザの感染が確認された養鶏業大手「愛鶏園」(横浜市)の獣医師らによる家畜伝染病予防法違反事件で、同法違反(届け出義務、検査妨害)の罪に問われた同社元会長ら4人と同社に対する判決公判が30日、水戸地裁であった。林正彦裁判長は「いたずらに私企業の利益を優先させる身勝手な犯行だ」として、元会長の斎藤太洋被告(67)に懲役1年2カ月執行猶予3年、罰金30万円(求刑懲役1年6カ月、罰金30万円)などいずれも有罪判決を言い渡した。

 ほかの被告の判決は、元取締役江口郁夫被告(59)に懲役1年2カ月執行猶予3年、罰金20万円(求刑懲役1年6カ月、罰金20万円)、元研究開発部長前田良雄被告(54)に懲役10カ月執行猶予3年、罰金20万円(求刑懲役1年2カ月、罰金20万円)、同社員中村貴則被告(37)に懲役6カ月執行猶予2年(求刑懲役10カ月)、愛鶏園に罰金130万円(求刑罰金180万円)。

 4人は05年8月と11月、感染の疑いがあると診断しながら届け出を怠った。また同年8月、養鶏場での県の検査の際、別の養鶏場の若鶏の血液を提出して検査を妨害した。

 4人は「感染の疑いがあると診断していない」と、届け出義務違反については否認していたが、林裁判長は「抗体陽性反応を示したことなどから、感染の疑いがあると診断したことが認められる」と述べた。

http://www.asahi.com/national/update/0330/TKY200703300192.html