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2007年03月30日(金) 07時50分

国連事務総長、4月にシリア訪問 和平交渉を模索か朝日新聞

 国連の潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が4月下旬にシリアを訪問する見通しになった。リヤドで開かれているアラブ首脳会議に参加している外交筋が明らかにした。レバノン問題を協議するとともに、イスラエルとシリアの和平協議の道筋を探る狙いがあるとみられている。

 事務総長はイスラエルを含む中東を歴訪中だが、シリアは含まれていない。外交筋によると、まずイスラエルと意見交換し、シリアには改めて4月20日前後に訪問することを提案してシリア側も同意したという。

 シリアには昨年9月に当時のアナン国連事務総長が訪れ、レバノンのシーア派組織ヒズボラに武器などが流入しているとされる国境の監視を強化するよう申し入れた。潘事務総長の初のシリア訪問でも、この問題を取り上げる予定だが、イスラエルとの和平協議の可能性についても探りたい意向が国連側から示されたという。

 シリアにとっては、今月のサウアブレー米国務次官補、欧州連合(EU)のソラナ共通外交・安全保障上級代表に続く要人訪問となる。05年のハリリ元レバノン首相暗殺事件で関与が疑われたシリアは一時孤立を深めていたが、最近の要人往来で国際社会との対話の輪を着実に広げている。

http://www.asahi.com/international/update/0330/003.html