記事登録
2007年03月29日(木) 08時01分

黒川氏ヘリで伊豆諸島行脚…都知事選スポーツ報知

 都知事選(4月8日投開票)に立候補している世界的建築家の黒川紀章氏(72)が28日、ヘリコプターで伊豆諸島を遊説した。都知事選の立候補者で伊豆諸島を回ったのは初めて。各地を視察しポスター張りなどを行った黒川氏は「まずは『離島』という差別的な言葉を消したい。伊豆諸島を素晴らしいリゾート地として、世界に誇れるものにしたい」と宣言。公示日の22日には所有するクルーザーで隅田川を疾走したが、これで宣言していたとおり「陸・海・空」を制したことになった。
写真はコチラ

 東京・夢の島近くの東京ヘリポートからヘリコプターに乗り込んだ黒川氏。都知事選の候補者では初となる“伊豆諸島遊説”だったが、演説は一切なく、13人乗りヘリコプターに報道陣を3回に分けて搭乗させるなど“ドタバタ珍道中”となった。

 ヘリコプター内に携帯用パソコン、小型望遠鏡、ライカのデジタルカメラ2台、ICレコーダーを持ち込むなど気合十分の黒川氏。ファッションもミクリのサングラスにエルメスの帽子、黒のトレンチコートとド派手だ。離陸すると東京23区を旋回し、都庁上空で熱心に写真撮影。その後、伊豆諸島へ向かった。

 最初の遊説地は御蔵(みくら)島。伊豆諸島第1枚となるポスターを張る。掲示板にはすでに石原慎太郎氏、浅野史郎氏、吉田万三氏のポスターが。すると、「島民に“隠れ浅野”がいる。本人が来ないのに誰が張っているのか」とぶ然。さらに「なぜみんなポスターを張りに来ないのか。ポスターを張らない候補は無効票にしていい」とぶちまけた。

 続いて、噴火災害に伴う全島民の避難解除から2年を迎えた三宅島。噴火により観光客が以前の半分にまで落ち込むなど、復興への課題が急務だ。到着後、黒川氏が真っ先に向かった先は定食店。しょうが焼き定食とシイラのフライを平らげると、急きょ島内のホテルで30分の休憩をした。

 結局、2時間半ほどの滞在で、島民とはほとんど交流できずじまい。演説も行うことはなかった。それでも、三宅村役場臨時庁舎前では決意を新たにした。

 「こんなに魚がおいしく海がきれいで緑の山なのに、苦しんでいる人たちがいる、それを忘れるわけにはいかない。まずは、都の予算の項目から『離島』という言葉を消します。日本そのものが太平洋に浮かぶ離島なのですから、今後は差別的な用語は使いません」

 その後も神津島、新島、大島、利島に。だが、時間がなく街頭には立てず、駆け足で回るのがやっと。予定されたいた式根島はキャンセルに。

 それでも、約10時間もの強行日程を終えた黒川氏は「もうやみつきになっちゃうよ」と笑顔。今後は「海と慣れ親しんできた日本という海洋国家をもう一度、伊豆諸島からきちんとつくりたい」と疲れも感じさせず訴えた。

 ◆東京都知事選立候補者(届け出順)山口節生(57)不動産鑑定士(諸新)吉田万三(59)元足立区長(無新)=共産党推薦=外山恒一(36)路上演奏家(無新)石原慎太郎(74)東京都知事(無現)=自民、公明支援=浅野史郎(59)前宮城県知事(無新)=民主、社民支援=黒川紀章(72)建築家(諸新)ドクター・中松(78)発明家(無新)高橋満(61)タクシー運転手(無新)佐々木崇徳(64)元警察官(無新)桜金造(50)タレント(無新)高島龍峰(71)易学者(無新)内川久美子(49)風水研究家(無新)鞠子公一郎(33)元証券マン(無新)雄上統(65)作家(無新)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070329-00000107-sph-soci