【名古屋】ジェイテクトは駆動輪用の「シール一体型ABSセンサ内蔵ハブユニット」を開発した。駆動輪用では業界で初めて、横滑り防止装置(ABS)センサーを内蔵、泥水など異物の浸入による同センサーの損傷を防ぐためシールも一体化した。車体への組み付けが容易になる。2010年からの出荷をめどに受注を図り、2013年度に70億円の売り上げを目指す。
ハブユニットはハブと軸受を一体にした部品で、自動車の車体とホイールをつなぐ部分に取り付ける。従来の駆動輪用のハブユニットは、十分なスペースがないためABSセンサーを内蔵にすることが難しかった。
開発したハブユニットでは、シールとABSセンサーを一体化したことでこの問題を解決。車輪速度の被検知体となる着磁パルサとABSセンサーをともにシール内部に配置し、損傷を防ぐ構造とした。
車両に取り付ける際、従来品はセンサーや着磁パルサを取り付ける工程が必要。このため着磁パルサとABSセンサー間の調整や、取り付けるための穴加工などの作業が必要だった。同ハブユニットでは、内蔵によりこうした納入先の手間も省略できる。
シールの形状も工夫し、水の浸入防止機構の「ラビリンスリップ」を追加。これにより従来必要だった散水板(デフレクタ)も不要で、コスト削減にもつなげた。