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2007年03月29日(木) 13時26分

新買収防衛策を承認 サッポロ株主総会朝日新聞

 米系投資ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパンから買収提案を受けたサッポロホールディングス(HD)の定時株主総会が29日、東京都内で開かれ、同社が提案した新たな買収防衛策の導入が承認された。スティールはこの防衛策の否決をめざし、サッポロ株主に反対を呼びかけたが、できなかった。両者の攻防は長期化する情勢となっている。

 この日の出席株主は過去最多の1154人(正午現在)。新買収防衛策は「出席株主(事前の議決権行使、委任を含む)の議決権の過半数」の成立要件を満たした。

 サッポロは06年に取締役会の決議で別の防衛策をすでに導入済み。スティールは「株主の同意を得ないで導入を決めた」としてその廃止を要求。これに対しサッポロは新防衛策を総会に諮り、株主の承認を改めて得ようという戦略に出た。新防衛策が総会で否決された場合、現行の防衛策も廃止するとしていた。スティールはサッポロの全株主に新防衛策への反対を呼びかけ、委任状集めを進めた。

 2月15日に買収提案を受けたサッポロは旧防衛策に沿って、スティールに買収の目的や経営方針の説明を求める具体的な手続きに入っており、今後もしばらくは旧防衛策で対応する。

 仮にスティールが株式公開買い付け(TOB)に踏み切れば、サッポロは新株予約権の発行で対抗する。その是非が法廷に持ち込まれるのは必至で、事態の長期化は避けられない。

http://www.asahi.com/business/update/0329/107.html