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2007年03月29日(木) 09時02分

みすず会計士、半数近く新日本へ朝日新聞

 今夏をめどに解体することになった監査業界4位のみすず(旧中央青山)監査法人の公認会計士ら約2400人の職員の移籍先の概要が分かった。8月以降、東京事務所を中心に半数近い約1000人が業界2位の新日本に、大阪、福岡両事務所を中心に約400人が首位のトーマツに、名古屋、広島両事務所を中心に約300人が3位のあずさの各大手監査法人に移る見通し。

 みすずの監査先の上場企業約600社の大半は担当会計士の移籍先に監査を切り替えるとみられる。このため、上場企業の監査シェアは、新日本がトーマツを抜いて業界首位になる見通し。

 みすずは2月20日に解体方針を発表後、職員に移籍先の希望を募った。中堅の太陽ASGにも数十人が移籍を希望。旧中央青山から分裂したあらたへは少数にとどまる見込みという。一方、京都事務所(会計士・職員約170人)は7月をめどに独立することを決めた。新名称は「京都監査法人」で、東京にも事務所を開設する。

 希望未定者や変更を加味してまとめた上で、みすずは近く各法人に移籍希望者のリストを提示する。各法人とも基本的には受け入れる意向で、移籍は3月期決算企業の監査を終えた後の8月1日から実施する。米大手会計事務所プライスウォーターハウスクーパースとの提携関係は7月末で解消する。

 みすずの顧客企業は約3400社。監査法人の切り替えは各企業が判断するが、みすずは会計士を監査部門や事務所ごとにまとめて移籍させることで、各企業が担当会計士の移籍先に切り替えしやすいようにする。

 みすずは、前身の旧中央青山が監査した足利銀行の粉飾決算事件を巡り、足銀や足銀出資者らから損害賠償訴訟を起こされている。このため、みすず本体は訴訟対応にあたり、訴訟の決着を待って数年以内に清算する見通し。

 みすずはカネボウ、日興コーディアルグループなど監査先企業の相次ぐ会計不祥事で顧客離れが続き、業務継続を断念。7月末をめどに職員を移籍することで、トーマツ、新日本、あずさの3大監査法人と合意した。

http://www.asahi.com/business/update/0329/064.html