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2007年03月29日(木) 12時31分

診療報酬不正受給で保険医療機関取り消し 大阪の病院朝日新聞

 大阪社会保険事務局は29日、診療報酬を不正に請求したなどとして、大阪府茨木市の聖ハンナ病院(小島重信院長、70床)の保険医療機関の指定を同日付で取り消した。同病院は03年1月から04年8月にかけて、看護補助者(ヘルパー)の人数を水増しするなどして計2119万円の診療報酬を不正に受給していたという。

 保険医療機関の指定を取り消されると、保険診療が最長5年できなくなる。保険が使えず、医療費は全額が患者の自己負担となるため、事実上、廃院に追い込まれる。

 同事務局によると、同病院は、勤務実態のない架空の看護補助者を看護職員としたり、長期病気療養中の看護補助者を常勤者などと水増しして報告。看護職員の数で入院基本料が決まる制度を悪用して、最高ランクの入院基本料を受け取り、正規の診療報酬との差額分1601万円を不正に受給した。

 また、医療安全管理委員会など実際には開いていない会議の議事録を捏造(ねつぞう)することで、委員会未設置の場合に診療報酬が減算されるのを免れ、474万円を不正に受け取るなどしていた。

 同病院をめぐっては、大阪府が04年12月、「医師が日常的に不在の時間があった」などとして、改善指導。その後、大阪社会保険事務局が04年12月から昨年12月にかけて監査をしていた。

 同病院は「病院を廃業し、閉鎖せざるを得なくなった」との張り紙を報道陣向けに掲示している。

http://www.asahi.com/life/update/0329/008.html